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さくらインターネット株式会社様

事例詳細

「さくらのVPS」のサーバーをSupermicro製にリプレース。 故障率の改善、運用管理の効率向上に加え、 Redmineで進捗や仕様などの情報を共有
1996 年の創業以来、日本のホスティングサーバー業界をリードしてきたさくらインターネット。故障などに苦慮していた同社が、2017年にデータセンターの移転を機に、Supermicro 製サーバーへリプレース。トゥモロー・ネットによる検査、納品、保守、さらにデータセンターへのデリバリー、IT資産管理ツールとの連携、プロジェクト管理ツールRedmineを用いての情報共有まで多岐にわたる支援を受けて、リプレースを実現した成功事例をお届けする。

導入ポイント


◆VPSサービスのサーバーが老朽化、データセンター移転を機にリプレース
◆他のサービスで利用実績のあるSupermicro製サーバーを採用
◆大量のサーバーを安定供給するためSupermicroで専用型番を設けて製造、管理
◆トゥモロー・ネットによる納品前の全品エージングテストで故障率が大幅改善
◆ラックの設置位置やシリアルナンバーをラベルで管理し、サーバー設置、IT資産管理を効率化
◆プロジェクト管理ツールRedmineを導入し、関係者全員で情報共有


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老朽化していたVPSサーバーを 実績のあるSupermicro 製に刷新

 レンタルサーバー、専用サーバーなどのクラウドコンピューティングサービス、モノプラットフォームなどのIoTサービスなど、多岐にわたるラインアップをそろえてサービスを提供しているさくらインターネット。同社が2010年に始めたVPSサービスが「さくらのVPS」である。VPS(仮想専用サーバー)とは、物理サーバー上に構築された仮想サーバーをユーザーが専有して利用できるサービスであり、OSを選んだりアプリケーションを自由にインストールしたりできる柔軟性が特長だ。
 2017年以降、「さくらのVPS」の物理サーバーとして活用されているのがSupermicro製サーバーであり、その導入を支援しているのがトゥモロー・ネットだった。
 それ以前は、別メーカーの製品を利用していたが、開発、運用を担うプラットフォーム事業部の荒井健祐氏はリプレースに至った背景について、「構築して数年経ち老朽化していたこともあり、故障やトラブルも多く、お客様にご迷惑をかけないよう、夜間や休日に対応することもありました」と語る。
 ディスク故障など一部の障害は冗長化されているため、故障が生じたとしても利用者へのサービスは継続して提供できていたものの、古いモデルは保守部品も入手が難しくなるなど、改善の必要性を感じていたのである。

トゥモロー・ネットのフットワークの 軽さと柔軟な対応が決め手

 折しも2017年にサーバーを管理していたデータセンターの変更が決定し、そのタイミングでVPSサービスの物理サーバーをリプレースすることになった。だが、準備期間は約1年と短かった。そこで確実に移設作業を終えるために声をかけたのが、Supermicro製サーバーを扱っていたトゥモロー・ネットだった。
 サーバー導入を担当したクラウド事業本部 藤島裕士氏は「Supermicro製サーバーは、すでに『さくらのクラウド』、『さくらのレンタルサーバー』で利用しており、コストパフォーマンスが高いうえに、故障率の低さとトゥモロー・ネットの保守、サポートの良さを実感していました」と振り返る。
 藤島氏が特に評価していたのは、トゥモロー・ネットの対応力だった。以前「キャッシュボルトを使いたい」と相談したことがあった。これは、RAIDのキャッシュを保護する機能だが、当時は誕生して間もない技術だったために対応機種がほとんどなかった。そこでトゥモロー・ネットが独自に検証を行い、キャッシュボルトが利用できるようにカスタマイズして納品したのである。

トゥモロー・ネットのきめ細かな配慮で データセンターでの構築もスムーズに

 データセンターへの運搬時には、IT機器の設置構築などを担うファシリティー会社と協力して、運送・開梱・設置・ケーブリング・廃材回収まで、トゥモロー・ネットがワンストップで提供したこともスムーズな構築に寄与した。
 その際、事前に設置場所(ラックの位置)を書いたラベルをサーバーに貼っておくといった作業もトゥモロー・ネットは実施していた。一見地味な作業に見えるが、「データセンターに到着した時点で開梱し、運送に使った箱をすぐに廃棄へ回せるようになった」と藤島氏は説明する。そのうえ、運ぶ場所を作業スタッフへ指示する必要もないため、スピーディ、かつ正確に進められた。
 また、全サーバーにQRコード付きのラベルを添付したことも、その後の運用に大いに役立ったと藤島氏は説明する。このラベルにはIT資産管理システムと連携したシリアルナンバーなどが記載されていた。「シリアルナンバーは、設置後にまとめて作業すると大変な仕事量になります。事前にラベルを貼っていただいたのは非常に助かりました」(藤島氏)

納品前のエージングテストにより サーバーの故障が激減

リプレースにより、物理サーバーは約1/6に集約できた。さらにサーバーを収納するラック数も半分程度に抑えられた。度重なる故障に悩まされていた荒井氏は「ハードウェアの故障がほとんど解消しました。もちろん機械ですからゼロではないのですが、昼夜を問わずアラートが飛ぶようなことはなくなりました。そのぶん、私たちは新機能の追加やシステム改修などに時間を費やせるようになりました」と以前との違いを実感している。
 その変化には、出荷前にトゥモロー・ネットが実施している全製品のエージングが寄与している。これはCPU、メモリ、ディスク、ネットワークに高い負荷をかけて12時間ものテストを行い、初期不良を洗い出すものだ。
「サーバーを設置した後に私たちでテストすることも可能です。しかし問題が生じた場合には箱に戻して返送しなければいけません。その手間と時間を考えると、事前にエージングしてクリアしたものだけを納品してくれるのは非常に助かります」(藤島氏)
「サーバーの仕様統一によって運用管理のフローが軽減された」と評価するのは、プラットフォーム事業部の黄炎晟氏だ。トゥモロー・ネットは、さくらインターネット向けのサーバーを安定供給するために、Supermicroと交渉して専用型番を設け製造、管理するようにしている。
 HDDからSSDへのストレージ変更は、ユーザーの満足度、メンテナンス性の向上にも貢献している。「VPSは物理サーバー上で複数の仮想サーバーが稼働するもの。そのためディスクI/O性能が低いと、あるユーザーが重い処理をしたときに他のユーザーの環境に影響を与えることがあります。しかし、高速なSSDにしたことでその影響が軽減されました。
日々メンテナンスしている私たちにとっても、システムの再起動や、障害からの復旧の時間短縮といったメリットがもたらされたことで、運用の効率が良くなっています」(黄氏)
 このようにさまざまなメリットがあることから、その後も毎年Supermicro製サーバーを追加している。

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Redmineを活用して トゥモロー・ネットと情報共有

2019年にさくらインターネットとトゥモロー・ネットの間でオープンソースのプロジェクト管理ツール「Redmine」を活用しはじめた点も大きな変化といえる。障害や問い合わせなどが生じたときに、Redmine上でチケットを発行し経緯を記録していく。
「Redmineを見れば、障害対応や保守に関する進捗状況が把握できます。新規に書き込まれればチャットツールに通知されるのですぐにわかりますし、障害の件数なども集計できます」(荒井氏)
 従来、そのようなやり取りはメールで行っていたが、藤島氏はRedmineの利点について「メールよりもはるかに便利です」と説明する。トラブルの対応履歴だけでなく、サーバーの初期設定や仕様などもRedmineに記録されるため、新しくスタッフが加わったときでもRedmineを見せるだけで把握できるようになるからだ。

新たな活用にも 柔軟に対応できるサーバーへ

今後、DXや政府が利用するガバメントクラウド、現実の社会とデジタル社会が融合するSociety5.0など、ICTの活用がますます広がっていくと予想される。そのような新しい時代に対応するためにも、新しい技術の採用は欠かせない。さくらインターネットでも、AMD社製EPYC搭載サーバーやNVMeタイプのSSDの採用など、積極的に取り組んでいる。
 荒井氏は「半導体不足などの問題が山積している中ですが、足元を固めてより良いサービスの提供に努めていきたいと考えています。新しい技術の検証にも積極的なトゥモロー・ネットにも期待しています」と述べた。

Supermicro社製サーバーとトゥモロー・ネットのサポートで故障率改善、
運用管理効率向上

約1年間を通して計画/実行された「さくらのVPS」システム刷新のプロジェクトでは、下記の点が大きく改善されました。

1 物理サーバー台数を1/6に集約し、サーバーを収納するラック数も半分程度に抑えられたことでメンテナンスを簡素化。

2 出荷前にトゥモロー・ネットが実施している全製品の12時間にわたるエージングテストで初期不良、故障がほぼ解消。情報プラットフォーム事業部が新機能の追加やシステム改修などに時間を費やせるように改善。

3 Supermicroと交渉の上サーバーの仕様統一、専用型番を設けることで製造、管理することにより運用管理のフローを軽減。

4 HDDからSSDへのストレージ変更により、ユーザーの満足度、メンテナンス性の向上にも貢献。システムの再起動や、障害からの復旧の時間短縮といったメリットも提供。

刷新プロジェクトの成功以来、さくらインターネットはSupermicro社製サーバーを継続的に導入しています。これからもより良いサービスの提供に邁進するさくらインターネット様をお支えするため、トゥモロー・ネットは新しい技術の検証に更に力を注ぎ、お客様に寄り添った献身的な運用サポートを提供します。


さくらインターネット株式会社

自社運営のデータセンターを国内に有し、個人から法人まで、多種多様なユーザーに向けてクラウドコンピューティングサービスとIoTサービスを提供している。「『やりたいこと』を『できる』に変える」という企業理念のもと、ユーザーの要望に応えるサービスの提供を通してDXを推進しつつ、インターネットの成長に合わせた企業変革を促している。

所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-12-12 東京建物梅田ビル11階
創業:1996年12月23日
設立:1999年8月17日
事業内容:クラウドコンピューティングサービスなどの提供、データセンター運営
URL https://www.sakura.ad.jp/

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