Numecent Cloudpaging(クラウドページング)とは? アプリケーション仮想化で注目される技術について特徴や導入メリットを解説【トゥモロー・ネット テックブログ】
近年、複数のデスクトップ環境で利用するためのアプリケーションの仮想化が進んでいます。その中でも特に注目を集める技術が、Numecent社の「Cloudpaging(クラウドページング)」です。
この記事では、Cloudpagingとは何かという概要から、その詳しい特徴、導入によって得られるメリットなどについて、詳しく解説していきます。
Cloudpagingの詳細が気になっていた方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Cloudpagingとは?
Cloudpagingとは、Numecent社(ニューメセント)が2012年に開発した、革新的なアプリケーション(アプリ)の仮想化・コンテナ化技術です。
通常、WindowsのPCでアプリを利用するには、事前にすべてのファイルをダウンロードし、PCにインストールしなければなりません。しかし、Cloudpagingでは、アプリケーションをインストールすることなく、その約5%という一部をダウンロードするだけで、実行が可能になります。
Cloudpagingでは、実に99.9%ものWindowsアプリを仮想化できます。そのため、多くのアプリケーションを取り扱う一般企業、BYODが進む教育現場や、CADや開発など複雑なインストールを必要とする作業現場など、多くのシーンで利活用が進められています。
アプリ仮想化とは
「アプリ仮想化」とは、アプリを物理的なOS(オペレーティングシステム)から切り離して、仮想マシンで実行できるようにする技術です。
たとえば、Windows10がインストールされたPCでは、Windows7用のアプリは実行できません。その際、Windows7を搭載した仮想マシンにアプリをインストールすることで、Windows10のPC上でも起動させられるようになります。
Cloudpagingは、アプリケーション仮想化の一種である独自のコンテナ化施術により、アプリケーションをストリーミング配信することで、Windows 7用のアプリケーションであっても、直接Windows 10のPC上で起動させることができます。
コンテナ化とは
「コンテナ化」とは、アプリケーションのバイナリ自体を独自技術でパッケージ化し、その実行環境をOSから分離させる技術です。一見すると先述の「アプリ仮想化」と似ていますが、コンテナ化ではアプリを起動するための仮想マシンを別途用意する必要がないという点が違っています。
一般的なアプリ仮想化では、各アプリ用の別OSやサーバーシステムを用意するため、その分容量が大きくなったり、配信用の複雑なサーバーシステムを構築する必要があります。その一方、コンテナ化ではOSはアプリ起動用PCをそのまま使うので、容量が小さくなります。また、一度コンテナ化されたアプリケーションは、複数のOS上へ配信が可能となります。
一般的なアプリ仮想化がアプリと実行環境の全部を、起動用PCと別に用意する必要がある一方、Cloudpagingは、コンテナ化されたアプリケーションバイナリの一部をダウンロードして実行する点に違いがあります。そのため、Cloudpagingはコンテナ化を応用した技術でありながら、より少ないコンポーネントでの実行が可能となります。
Cloudpagingの特徴とは
Cloudpagingには、従来のアプリ仮想化やコンテナ化と異なる特徴が多くあります。
ここでは、特に代表的な3つの特徴について、詳しく確認していきましょう。
特徴①:独自コンテナ技術で新旧様々なアプリを実行可能
通常アプリを使用するためには、インストーラーをダウンロードし、そこからアプリをインストールする必要があります。しかしCloudpagingでは、初期設定済みのアプリを独自技術でコンテナ化して配信します。そのため、古いものから新しいものまで、新旧様々なアプリを1つのOS上で稼働させられます。
特徴②:システム管理者の負担軽減
Cloudpagingでは、初期設定済みのアプリを配信するため、詳細な導入ガイドの作成や、導入できているかチェックする手間が減ります。そのため、システム管理者の負担を大幅に軽減でき、設定ミスによるリスクも最小限に抑えられるでしょう。
特徴③:アプリがローカルにインストールされない
Cloudpagingでは、アプリ全体の5%をダウンロードし、独自のコンテナ環境上で動作させます。その際、実際のPCローカル上ではインストールされないため、OS内部のシステム競合のトラブルなどが軽減されます。また、アンインストールする手間もなく、いつでもOS環境をクリーンな状態に戻すことが可能です。
Cloudpagingを導入するメリット
メリット①:OSマイグレーションに伴うコスト問題の解決
Cloudpagingを導入することで、OSマイグレーションに伴うコストを大幅に削減できます。
OSマイグレーションとは、Windows7から10などのように、OSを古いもの(レガシー)から新しいもの(モダン)に切り替えることを表します。通常、アプリはOSに依存しているため、OSマイグレーション時に対応できなくなることが多いです。そのため、OSマイグレーションではアプリの刷新や移行、再開発も同時に行わなければならず、時間的・費用的なコストが伴います。
その点、Cloudpagingでは一度コンテナ化したアプリは、新しいOS上でもそのまま使うことができます。これにより、アプリの管理・移行に伴うコストが削減できます。また、アプリの利用期間もOSのサポート期間に依存しなくなるので、長期間の安心した利用が実現できます。
トゥモロー・ネット社&Numecent社共催ウェビナー「頻繁なWindowsアップデート、レガシーアプリのマイグレーションの課題をどう解決すればよいのか?」の動画 もご参考ください。
メリット②:レガシーアプリのセキュリティ対策
Cloudpagingを導入することで、レガシーアプリのセキュリティ性を向上させるメリットも得られます。
たとえば、Windows10上でWindows7用のレガシーアプリを動作させたいとします。このとき、Cloudpagingの独自技術である「Layer-4」というセキュリティレイヤー技術で動作させることで、アプリはローカルシステムから隠蔽されたサンドボックス内で動作し、外部からアクセスできなくなります。
この機能を用いることで、JavaやVBなどのレガシーアプリであっても、安心して使い続けられるでしょう。また、新しいアプリであっても、Layer-4を通すことで、高いセキュリティ性を保って利用できるようになります。
メリット③:柔軟なユーザー管理や利用制限が可能
Cloudpagingで配信するアプリには、初期設定やテンプレートを配信者側で設定し、自由に盛り込むことができます。また、利用ユーザーを限定したり、利用できるアプリの範囲を割り当てたりといったユーザー管理も可能です。
それに加え、ユーザーのアプリ利用状況を秒単位で確認もできます。これにより、実際に利用していないユーザーを確認して、不要なライセンス購入コストをカットできるメリットも得られます。
まとめ
今回は、今大きな注目を集めているCloudpagingについて、その概要や特徴、導入によって得られるメリットなどについて、詳しく確認してきました。
Cloudpagingは、アプリを独自技術でコンテナ化することで、OSマイグレーションに左右されないアプリ管理を実現できる技術です。それにより、コスト削減やセキュリティ対策、柔軟な利用管理などのメリットが得られるでしょう。
トゥモロー・ネットでは、Cloudpaging提案、構築、導入支援を行っています。頻繁なWindowsのアップデートや、レガシーアプリのマイグレーションにお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
Numecent の Cloudpaging の機能や導入効果についてはこちら
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