2023.10.11

グリーンコンピューティング(グリーンIT)とは? 概念から取り組みの内容を解説【トゥモロー・ネット テックブログ】

地球温暖化をはじめとした環境問題への対策として、「グリーンコンピューティング(グリーンIT)」が大きな注目を集めています。実際、世界的な大企業を中心に、グリーンコンピューティングに積極的に取り組む企業が増えています。しかし、自社でグリーンコンピューティングを行おうにも、その詳細がわからずに困っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、グリーンコンピューティングとは何かという概要から、企業が行うメリット、有名企業による具体的な取り組み例に至るまで、詳しく確認していきます。

これからグリーンコンピューティングへの取り組みを行うか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

グリーンコンピューティング(グリーンIT)とは?

グリーンコンピューティング(グリーンIT)とは、コンピュータをはじめとする情報技術を活用することによって、環境への負荷を減らそうとする試みのことです。

ここで使われている「グリーン」は、地球環境を象徴する木々の「緑」を表していて、環境に配慮した取り組みは「グリーン化」と呼ばれています。そのため、グリーンコンピューティングを敢えて一言で言い表すなら、「地球環境に良いITの取り組み」となるでしょう。

そんなグリーンコンピューティングは、大きく「ITのグリーン化(Green of IT)」と「ITによるグリーン化(Green by IT)」の2種類に分けられます。それぞれの違いについて、以下で詳しく確認しておきましょう。

ITのグリーン化(Green of IT)とは?

「ITのグリーン化(Green of IT)」とは、コンピュータなどを使用する際の、電力消費や発熱を低減させる活動を表します。より簡単に言うと、環境に優しいIT機器を使うということです。

具体的なITのグリーン化の例としては、まず半導体などの技術開発による、サーバーやPCなどの省電力化が挙げられます。また、サーバーの冷却システムに、通常の空冷だけでなく、より冷却効率の良い水冷を採用することも1例です。そのほか、サーバーを仮想化することによって物理的なサーバー量を減らすことも、消費電力の低減やCO2排出量の抑制に繋がっています。

ITによるグリーン化(Green by IT)とは?

「ITによるグリーン化(Green by IT)」とは、ITによって業務を効率化することで、結果的に環境への負荷を抑える取り組みを表します。より簡単に言うと、ITを使って環境に優しい活動を行うということです。

ITによるグリーン化の具体例としては、まずテレワークが挙げられます。出社せずに自宅などから遠隔で業務にあたることで、不必要な人流が抑えられ、移動に伴うCO2の排出などが大きく低減できます。また、文書を紙ではなくデータでやり取りするペーパーレス化も、伐採する木材を減らし、紙の処分時に出るCO2の排出を抑制できます。そのほか、IT技術を使って物流や農業などの業務効率化を図るなど、さまざまなシーンでITによるグリーン化が進められています。

企業がグリーンコンピューティングを行うメリット

持続可能な社会の実現が声高に叫ばれる現代、企業がグリーンコンピューティングを実施すると、さまざまな点でメリットが得られます。

ここでは、特に代表的な2種類のメリットとして、「消費電力を削減できる」「企業価値の向上に繋がる」の2点を取り上げます。それぞれの詳細について、詳しく確認していきましょう。

メリット①:消費電力を削減できる

グリーンコンピューティングを実施する1つ目のメリットは、消費電力を効果的に削減できる点です。

近年では電気料金が値上がりしている背景もあり、環境への配慮だけでなく、自社のコスト削減のためにも、節電に力を入れている企業が多いです。その際、グリーンコンピューティングによって機器の消費電力自体を抑えられれば、過度な節電をせずとも、効率的に電気消費量を削減できるでしょう。

また、消費電力が抑えられれば、会社の財政にプラスに働くだけでなく、発電によって生じるCO2も削減され、環境保護の観点でも効果が得られます。

メリット②:企業価値の向上に繋がる

グリーンコンピューティングを行うメリットの2つ目は、企業価値の向上に繋がる点です。

サステナブルな社会づくりが重要視される現代において、企業として環境に優しい取り組みをすることは、非常に高いブランディング効果を発揮します。効果的なグリーンコンピューティングを実施し、その取り組みを顧客や株主などにアピールしていくことで、企業の信頼性を大きく向上させられるでしょう。

具体的な企業のグリーンコンピューティングへの取り組み内容

グリーンコンピューティングを実施する企業は世界的に多く、さまざまな取り組みが行われています。

ここでは、世界的な有名企業3社による、グリーンコンピューティングへの具体的な取り組み例をご紹介します。自社でのグリーンコンピューティングの取り組み内容に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

取り組み①:SONY(ソニー)

SONYは、地球の将来を考え、いち早くグリーンコンピューティングに乗り出した日本企業の1つです。

SONYでは、2025年までに新しく設計する小型製品の梱包材を、すべて廃止することを目標としています。また、製造活動におけるCO2の削減にも力を入れていて、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指す「Green x Digital コンソーシアム」にも参加しています。

参考: 環境への思いやりを、パッケージにも。|SONY

取り組み②:Apple(アップル)

iPhoneやiPadなどで有名なAppleは、自社製品の環境への影響を最小限に抑えるべく、グリーンコンピューティングを重視しています。

Appleでは、2014年からすべてのデータセンターにおいて、消費電力を100%再生可能なエネルギーで賄っています。そして2018年には、直営店やオフィスを含む全施設において、100%クリーンエネルギーで電力を賄っていると発表しています。

参考:Apple、 再生可能エネルギーで 世界的に自社の電力を100%調達|Apple

取り組み③:Supermicro(スーパーマイクロ)

PCサーバーや周辺機器の製造で有名なSupermicroでは、環境に良いビジネスを目指し、グリーンコンピューティングに力を入れています。そのため、環境への影響を最小限にしつつ、サーバーとデータセンターのパフォーマンスを高める施策が数多く行われています。

たとえば、同社が開発したデスクサイド型プラットフォームには、自己完結型の液体冷却機能が搭載され、CPUの排熱を効果的に冷却し、画期的な省電力を実現しています。

参考:Supermicro、AI開発用途に最適な、NVIDIA水冷GPUを搭載するデスクサイド型液冷プラットフォームを発表 GPUソリューションを拡大|Supermicro

まとめ

今回は、グリーンコンピューティングとは何かという概要から、企業が行うメリット、具体的な取り組みの内容に至るまで、詳しく確認してきました。

グリーンコンピューティングは、IT自体の省エネ化とITによる業務の効率化に分けられますが、いずれも環境に与える負荷を低減させることが目的になっています。

持続可能な社会を実現するためには、企業はもちろん、私たち1人ひとりが意識的に取り組む姿勢が不可欠です。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひグリーンコンピューティングを積極的に進めていきましょう。

トゥモロー・ネットは、グリーコンピューティングに対応する、様々なハードウェア、ソフトウェアシステムを取り扱っています。また、グリーンコンピューティングを提供するSupermicroの正規販売代理店で、Supermicroのサーバー(ハードウェア)製品を多数取り扱っております。

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この記事の筆者

株式会社トゥモロー・ネット

クラウドソリューション本部

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