2024.07.09

Supermicro×NVIDIA GPU製品|生成AI向けSuperClusterについて紹介【トゥモロー・ネット テックブログ】

Supermicro社が提供するSupermicro SuperClusterは、生成AIの構築を実現するための強力な基盤となります。生成AIは処理できるデータ量やパラメーター数により性能が決まりますが、高性能のGPUを多数搭載し、また高度な冷却性能を備えたSupermicro SuperClusterにより大量データの学習・推論を高速に実現できます。

この記事では、Supermicro SuperClusterの概要とその特徴についてご紹介します。

Supermicro社とは

Supermicro社は1993年にチャールズ・リャン(Charles Liang)によって設立された企業であり、主にサーバーやマザーボード、サーバーラックなどの機器を製造・販売しています。アメリカのカリフォルニア州サンノゼで設立された同社は、高性能・高効率サーバーの提供を強みとして、設立以降世界的な事業拡大を続けています。近年では、高性能GPUを搭載したGPUサーバーや大規模LLMを構築するためのSupermicro SuperClusterソリューションの提供など、生成AI分野においても存在感を示しています。トゥモロー・ネットでも、AI研究開発や科学技術計算、3D Rendering、CADなどに利用できるSupermicro社のGPUサーバー製品や大容量かつ高スループット性能を誇るNVMeサーバー製品を取り扱っています。

生成AI向けSuperClusterの紹介

以下では、Supermicro社が2024年に発表した新製品「Supermicro SuperCluster」についてご紹介します。SuperClusterは生成AI向けに最適化されたサーバーソリューションであり、GPU、CPU、メモリー、ストレージなどサーバーを構成する各要素に加え、強力な空冷・液令システムを備えます。

3種類の強力なソリューション

SuperClusterでは3種類のソリューションが提供されています。以下では各ソリューションの概要をご紹介します。

①9つのラックに32基のNVIDIA HGX H100/H200 8 GPU、8U空冷システムを備えたソリューション

(Supermicro SuperCluster With 32 NVIDIA HGX H100/H200 8-GPU, 8U Air-cooled Systems (256 GPUs) in 9 Racks)

本構成は大規模な生成AIの導入に適した、実績のあるソリューションです。1つのユニットに32×8の256個のNVIDIA H100/H200 GPUが搭載されており、数兆単位のパラメーターを持つ大規模な言語モデルをトレーニングできます。

②5つのラックに32基のNVIDIA HGX H100/H200 8 GPU、4U液冷システムを備えたソリューション

(Supermicro SuperCluster With 32 NVIDIA HGX H100/H200 8-GPU, 4U Liquid-cooled Systems (256 GPUs) in 5 Racks)

最もコンパクトな構成であり、ラックの設置面積を節約することが可能です。Supermicro社の液冷ソリューションにより設置密度が高められた結果、データセンター全体の電気コストを最大40%削減することができます。

③9つのラックに256 個の NVIDIA GH200 Grace Hopperスーパーチップが搭載されたソリューション

(Supermicro SuperCluster With 256 NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchips, 1U MGX Systems in 9 Racks)

本構成はご紹介したソリューションの中で最高の性能を誇り、クラウド規模の推論を実現します。生成AI向けのスーパーチップである「GH200 Grace Hopper」を256個搭載し、高ボリュームの処理を低レイテンシーで実現できます。

Supermicro SuperClusterの冷却テクノロジー

GPUの性能を最大限発揮するためには、冷却技術が欠かせません。Supermicro社およびSupermicro SuperClusterの強みとして、優れた冷却テクノロジーが挙げられます。

前述した②5ラック・8U液冷システムのソリューションでは、以下のような液体による冷却技術が採用されています。

CPU/GPUコールドプレート

コールドプレートとはCPUおよびGPUを冷却するために用いられる熱伝導性の高い金属部品です。コールドプレート中に冷却剤が流れることで、CPU、GPUの各チップは効率的に冷却されます。

冷却剤分配ユニット(CDU)

コールドプレートに冷却材を送り込む役割を担うのが冷却材分配ユニット(CDU)です。CDUには、CPU/GPUコールドプレートへ冷却材を届けるためのポンプシステムが搭載されています。Supermicro社のCDUは最大100kWの冷却性能を誇り、非常に高いラック密度の実現に貢献します。

冷却剤分配マニホールド(CDM)

CDUからコールドプレートへ冷却材を送る際の配管となるのが冷却剤分配マニホールド(CDM)です。CDMは各サーバーに冷却剤を供給し、より高温の冷却剤をCDUに戻す役割を担います。

SuperClustersが実現するもの

SuperClustersは大規模なLLMや機械学習環境の構築などに活用できるソリューションですが、大規模LLMの構築においてはもはや単一のサーバーで対応することは難しく、クラスターを構築して演算処理を行う必要があります。同社は最大で世界規模の製造能力である5,000ラック/月の提供が可能であり、大規模LLMの構築など大量の需要に対しても対応できます。

同社は、Datasection、Foxconn、KDDI、シャープと共同で、アジア向けに大規模なAIデータセンターを構築する計画も明らかとしています※。同データセンターは旧シャープ堺工場に作られる予定であり、NVIDIA社が提供するAI活用のためのソフトウェア「NVIDIA AI Enterprise」に最適化された高度なシステムをサポートし、最先端のLLMに強力なパフォーマンスを提供するとのことです。

本事例のように、SuperClustersはその高速な処理性能と高い冷却能力により、企業におけるLLM構築を支える基盤となります。

※参考:Supermicro社プレスリリース「Supermicro Liquid-Cooled AI SuperClusters Will Power Large-Scale AI Data Center in Japan」

まとめ

この記事では、Supermicro社が提供する生成AI向けサーバーソリューション「Supermicro SuperCluster」について、その概要や特徴についてご紹介しました。

Supermicro SuperClusterは、生成AIの構築を実現するための強力な基盤となっています。

トゥモロー・ネットでご支援できること

トゥモロー・ネットでは、Supermicro社のサーバーソリューションをはじめとした年間約3,000台のサーバー・ストレージ販売と、計50,000台のサーバー・ストレージのサポート実績を誇ります。導入から稼働までAll in Oneの万全なサポートが可能ですので、ご興味のある方はお問い合わせください。

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この記事の筆者

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