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高度なアルゴリズム開発力を強みに、先端 LSI の設計開発やAI、ブロックチェーン技術を活用したソリューションを提供するアクセルでは、シミュレーションサーバーの共有ストレージをLinuxのNFSで運用することに限界を感じていました。
共有ストレージのパフォーマンス向上と、既存の運用を変えずに導入できたのが、トゥモロー・ネットが提案したPluribusとNexentaStorのソリューションです。共有ストレージのパフォーマンス向上と、従来通りの運用の踏襲を実現した成功事例です。
導入ポイント
- 開発現場が満足するパフォーマンスを実現
一つはストレージのパフォーマンス向上、二つ目は既存の運用を変えないこと - 既存の運用のまま導入することができる
LinuxのNISサーバーとWindowsのActive Directoryどちらからもアクセスが可能で、パーミッションの問題も発生しないこと - 既存のストレージ・ネットワークソリューションよりも安価
PluribusとNexentaStorの組み合わせは、すでに導入済みのストレージソリューションと比較すると1/3以下のコスト
導入背景

技術グループ情報システム運用担当マネージャー加藤 晴朗様(左)、
技術グループ情報システム運用担当シニアマネージャー大江 潤司様(右)
開発現場から共有ストレージのパフォーマンス改善要求が高まる
主に遊具機器向けグラフィックスLSI、LEDドライバLSI、メモリモジュール、組み込み機器用のグラフィックスLSI、PC/通信機器向けソフトウェアムービーコーデックなどを開発・販売する半導体メーカーのアクセルでは、シミュレーションサーバーの共有ストレージをLinuxのNFSで運用することに限界を感じていたという。
「半導体の設計・開発のロジックシミュレーションにおけるシミュレーションサーバーの共有ストレージをLinuxのNFSとSambaで構築・運用していましたが、データ容量と利用者の増加によりパフォーマンスが悪化。現場からパフォーマンス改善の要求が高まってきました。ただ、Linux上の共有ストレージとして使っている環境では、CPUやメモリーのパフォーマンスを上げてもストレージシステムの速度向上は見込めません。1Gbpsというネットワークの帯域幅がボトルネックになっているのも事実ですが、効率的とは言えない現在のネットワークの帯域幅を上げても限界があります。そこで、ストレージに特化したSDS製品を検討していました。」(加藤氏)
導入要件

加藤氏(左)、大江氏(右)
アクセルがSDSに求めた要件は次の2点。
一つはストレージのパフォーマンス向上、
二つ目は既存の運用を変えないことを挙げている。
「開発現場からの高い要求にどう応えるか思案しなければなりません。さらに、既存の環境、使い勝手のまま移行できるかが大事。つまり、LinuxのNISサーバーとWindowsのActive Directoryどちらからもアクセスが可能で、パーミッションの問題も発生しないことが製品選定の大きなポイントになります。」(大江氏)
既存のままの使い勝手でパフォーマンス向上をリクエスト
既存のストレージと比較し、どの程度のパフォーマンス向上を求めるかは、目標値を定めるのが難しかったという。
選定理由

システム図/Before

システム図/After
POCでトゥモロー・ネットのSDS、SDNが要件をクリア
アクセルでは、実際のシステム導入決定の前に約2カ月間POCを実施。この期間、既存運用に合わせるための設定とネットワーク構成の検証を行っている。
「他社製品も合わせて検証したところ、NISサーバーとActive Directoryからのアクセス、パーミッションにおいて、ほとんどの製品に問題が発生しました。唯一クリアしたのがトゥモロー・ネットのPluribusとNexentaStor。アプリケーションもストレスなく動作し、使い勝手も良いと開発現場から声が上がっていました。」(加藤氏)
約2カ月間のPOCを踏まえ、トゥモロー・ネットのPluribusとNexentaStorの採用を決定。その概要は「システム図 Before/After」の通りである。なお、いくつかの問題点はあったが、POC期間中には解決している。
「NISの設定をGUI上でできない点はCLIでの設定を探してもらい、大事には至りませんでした。ネットワークスイッチのMTU値にも一時期問題がありましたが、トゥモロー・ネットのサポートにより、すぐにパフォーマンスは向上しました。」(大江氏)
安定稼働と手厚いサポートを評価
Pluribus 導入で帯域幅が1Gbpsから10Gbpsにアップしたこと、NexentaStor側のDRAMキャッシュが威力を発揮したことなどにより、以前と比べてパフォーマンスは大きく改善したという。
「開発現場からの不満はありません。容量単価あたりのコストパフォーマンスが高く、とにかく安定して動いているのが一番です。また、PluribusのVCF Centerによるネットワーク状況の「見える化」も大きなメリット。各計算ノードのコネクション状況、トラフィック、レイテンシー、がGUIからイメージで見えるので、今後の対策が立てやすい。」(加藤氏)
コスト面でも大きなアドバンテージがあったという。
「いざ導入となっても、金額が高い場合にはコストとパフォーマンスのバランスを再検証しなければなりません。しかし、PluribusとNexentaStorの組み合わせは、すでに導入済みのストレージソリューションと比較するとかなり安価。1/3以下のコストになっています。」(大江氏)
製品知識や技術に精通したサポートスタッフの有無でSIerを選定するユーザー企業は多い。アクセルも同様で、トゥモロー・ネットのサポートには満足しているという。
「POC時、金曜の夜に問題が発生したことがあったのですが、メール連絡ですぐに対応いいただけました。稼働後半年の現在も、トゥモロー・ネットさんがフロントに立ってサポートしていただいているので、当社の運用負荷の負担は大きく低減しています。」(加藤氏)
今回の成功を踏まえ、アクセルではトゥモロー・ネットに対してさらなる期待をしている。
「今後は仮想環境の共有ストレージとしても考えてみたいと思っています。また、世代管理やDRサイトへのレプリケーションなども検討してみたい。当社の思惑に合致するトゥモロー・ネットさんの提案を期待しています。今後ともよろしくお願いします。」(加藤氏、大江氏)

株式会社アクセル
本 社
東京都千代田区外神田四丁目14番1号 秋葉原UDX 南ウイング10階
設 立
1996年2月
上 場
東証一部(証券コード:6730)
資本金
10億18百万円
事業内容
・半導体集積回路および半導体集積回路を組み込んだプリント基板の設計・製造・販売
・ゲーム機器の設計・製造・販売
・事務機器の設計・製造・販売
・インターネットを利用した各種情報提供サービス業
・画像または音声に関する圧縮伸長処理技術の開発・販売
・ソフトウェアの開発・販売