先進的な機能、性能を持つSupermicro製サーバーの採用と トゥモロー・ネットの導入支援で、品質と安定性に優れた 競争力の高いサービスへ
JOCDN株式会社様
事例詳細
先進的な機能、性能を持つSupermicro製サーバーの採用と トゥモロー・ネットの導入支援で、品質と安定性に優れた 競争力の高いサービスへ
導入ポイント
◆年々トラフィック量が増加する動画配信
サービスの成長、需要に追従するためにCDN のサーバーを増強
◆先進的なSupermicro 製サーバーを積極的に採用し、CDN の安定性向上へ
ピーク時も余力を持って対応
◆ストレージやNICなどはメーカーや型番指定にトゥモロー・ネットが柔軟に対応
正式サポート外のパーツもトゥモロー・ネットが独自で検証し提案
◆集約化を高めてコスト競争力を強化、外資系CDN 企業との競い合える力に
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動画配信の成長に追従して CDNを構成するサーバーを増強
インターネットでの動画配信の需要が高まるにつれ、重要度が増しているのがCDN(Content DeliveryNetwork)サービスだ。CDNとは、簡単にいえばコンテンツ配信用のキャッシュサーバーのようなもの。通常、動画のような大容量コンテンツを多くのユーザーに配信しようとすると、アクセスが集中してサーバーがダウンする、膨大なトラフィックにネットワークが耐えられなくなるという問題が生じるおそれがある。それをカバーする目的で活用されているのがCDNだ。同じコンテンツをキャッシュとして持つ、複数のサーバーから構成されるCDNが膨大なアクセス、トラフィックを分散させて処理することで、大容量、高品質なコンテンツを安定的に配信できるようになる。
そのCDNサービスを日本で提供しているのが、JOCDNだ。JOCDNは、国内インターネットサービスプロバイダーの草分けであるIIJと、放送事業者(テレビ局)が共同出資して2016年に設立したCDNサービス会社であり、動画配信を中心に高品質で安定したCDNプラットフォームを提供してきた。近年はWeb系の配信への対応を進めるなど、サービスの幅を広げている。
JOCDNの技術部 副部長 青野慧志郎氏は「配信設備などを国内で管理し、お客様に対して迅速なサポートを提供する点がJOCDNの特徴です。また母体の一つであるIIJの知見を活かしてインターネット全体を見据えたCDNを設計しています」と説明する。近年は動画配信の利用増加、コンテンツの高画質化、高解像度化により、トラフィック量が増えている傾向にある。さらにコロナ禍によって在宅勤務が浸透するなど、生活スタイルが変化したことで、動画配信の需要は高まってきている。情報通信白書令和3年度版によるとインターネットトラフィックは「対前年度比150%以上の増加」を示している。
CDNのインフラの設計、管理、機器の調達を担当している技術部 マネージャーの髙田壮吉氏は「動画配信のトラフィックは、インターネット全体の増加ペースを上回って伸びています。CDNの設備は将来のトラフィック需要を予測し、ロードマップを描きながら増強していますが、最近は増強ペースが上がってきています」と説明する。
安定したCDNサービスのために 先進的なサーバー、パーツを積極的に採用
数百台規模のサーバーを活用して、大容量の動画コンテンツを配信しているJOCDNが設立当初から活用しているのが、Supermicro製サーバーだ。これについて髙田氏は「当社サーバー全体の1/3を占めて、もっとも多く利用されている」と説明する。このSupermicro製サーバーを取り扱っているのがトゥモロー・ネットだ。
サーバー選定においてはサービスの成長、需要に応じて必要となるサーバーをその都度調達してきたが、JOCDNで特徴的なのは、ハードウェアの進化によるメリットを受けるために、先進的で高性能な製品を積極的に採用している点だ「サーバーに搭載されたメモリやストレージはCDNのキャッシュとして使われるため、大量に搭載しなくてはなりません。また安定してコンテンツを配信するためには、I/O性能にも余裕が必要です。
そのため、『メーカー、構成、パーツ』を統一して保守性や運用性を高めるよりも、最新の高性能な製品を積極的に採用しています。それがパフォーマンスだけでなく、安定性や運用効率の向上につながっています」(青野氏)
そのような方針にマッチしていたのが、最新のサーバーを積極的に開発しているSupermicroだった。Supermicroでは、CPUベンダーが新CPUを発表すると同時に、それに対応したマザーボード製品を発表することも多い。そのため、新機能をいち早く利用しメリットを享受できる。例えば、AMD社のサーバー向けCPUのAMD EPYCが発表した当日、Supermicroは対応サーバー製品を発表した。このAMD EPYCは、CPU使用率で約40%、電力消費量
で約20%抑えられ、PCIe gen4に対応しメモリやNVMeのアクセスも高速という利点もあったことから、JOCDNでは導入を進めている。
高スペックを追求するというJOCDNの方針は、サーバーに搭載するストレージやNICでも同様だ。ネットワークの帯域を左右するNICも、10Gbpsから25Gbps、100Gbpsへと、より多くのトラフィックを処理できるものを導入している。「運用時には性能がボトルネックになることもありますので、ハイスペックな製品を導入したほうがトラブルも起きにくくなります。例えば、メンテナンスは日常的に行っていますが、サーバーを停止させたときには残ったサーバーの負荷が高まります。そのようなときでも、高性能なサーバーであれば、動画配信への影響を出さずに済みます。このように、性能向上はCDNの品質だけでなく、運用負荷の低減にもつながっているのです」(青野氏)
充実した製造・検証設備を持つ トゥモロー・ネットが最適なパーツを提案
パーツ選びにおいては、トゥモロー・ネットが型番指定に対応していることを高く評価している。「多くの業者は仕様にあったパーツを納品してくれますが、こちらが指定したメーカー、型番を用意してくれるとは限りません。しかしトゥモロー・ネットなら、指定通りに納品してくれます。
ときにはSupermicroが正式にサポートしていないパーツを指定することもありますが、トゥモロー・ネットは独自に検証を行った上で、『自分たちがサポートします』と提供してくれるのです。そういう覚悟が感じられる点も評価しています」(髙田氏)
このようなサービスを提供するため、トゥモロー・ネットは社内に研究ラボを設けて、さまざまなパーツの検証ができる体勢を整えている。「パーツが故障したときの対応にも信頼を置いています。多くの業者は対応時、故障を確認するためにログなどを提出して判定する必要があるので、交換までに手間と時間がかかります。その点、トゥモロー・ネットは状況を説明するだけですぐに交換対応してくれます。不具合があるとCDNサービスの品質、安定性にも関わりますし、リスクを抱えたままシステムを稼働させるのは不安がつきまとうので、迅速に交換してくれるのは助かります」(青野氏)
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増加し続けるトラフィックに対応する 競争力を持つ国産CDNを トゥモロー・ネットが支える
テレビ番組の視聴はコンシューマ向けのサービスだが、行政や会社の説明会のように、オンライン動画を活用したビジネス用途の利用も増えてきている。それに応じて「今後、動画のトラフィック量の増加がさらに加速していくのは間違いない」と青野氏は見ている。だからこそ「高品質で安定した動画配信サービスを提供することはますます重要になってくる」と述べる。
また技術面でも、ストリームの多重化などに対応したHTTP/2、新しい超低遅延のストリーミング技術など、動画配信に関する新テクノロジーも登場してくる。
そのような動向への対応に加えて、他のCDN事業者と競争していく力も必要だ。CDNの世界では、日本も含めたワールドワイドな市場で展開している外資系事業者も多い。「その点では国産のJOCDNは貴重なプレーヤーといえます。グローバル企業に負けないように、競争力を持つためには、技術面だけでなく、コストも重要です」(髙田氏)
青野氏は「先進的なサーバーをうまく活用して、効率的にトラフィックを処理できるように、かつ集約性を高めてコスト競争力を高めていきたい。そのためにも、最新のハイスペックな製品も最適なコストで納品してくれるSupermicroとトゥモロー・ネットに期待しています」と期待を述べた。
JOCDN株式会社
IIJと放送事業者の共同出資を受けて設立。放送事業者、動画配信事業者に向けて、純国産ならではのきめ細やかなサービスを提供することで、国内の動画配信プラットフォーム事業を支えている。
所在地:〒102-0071 東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グランブルーム
設立:2016年12月1日
事業内容:国内向け動画配信プラットフォームサービスの提供、および放送システムの構築・ 運用
URL https://www.jocdn.co.jp/