Optane採用でI/O性能の高速化と
レイテンシーの大幅改善を実現
成城大学様
事例詳細
・SDSであるvSANの自由度を生かした仮想ストレージ基盤を構築
・OptaneとNAND 型SSDの組み合わせによる、オールフラッシュ構成のvSANにリプレース。
I/O 処理の高速化とレイテンシーの低下を実現
・推奨機器であるReady Node以外のハードウェアの選定と検証に、トゥモロー・ネットが貢献
東京都世田谷区にキャンパスを構え、「グローバル社会を生き抜く『独立独行』の人を育成する」を掲げる成城大学。1950年の設立以降、政治や経済、芸術、マスコミなどのさまざまな分野に多くの人材を排出してきた同校は、人文社会系の総合大学としての側面を持ちながら、学生の論理的な思考を伸ばすべく理数系の教育にも注力している。
この理念は、学内のITインフラにも表れている。構内全域にWi-Fiネットワークが引かれており、学生は自らのPCやスマートフォン、もしくは自習室やラウンジに用意されている貸し出し用のPCを用いて、場所を問わずにネットワークに接続することが可能だ。それらネットワークや機器の管理のほか、メールや各種アプリケーションなどIT全般を管理するのが、成城大学メディアネットワークセンターだ。
同センター 課長の五十嵐一浩氏は、ITインフラ整備への思いを「学生のみなさんに今のITを体験してほしい」という言葉で表した。現在の学生は、いろいろな場所で、ネットワークを通じて友達や教師と交わりながら勉強をしている。五十嵐氏は「静かに勉強したいときは図書館、一人で集中したいなら自宅。そして大学に来たら、交流しながら学んでいく。そういう環境を、そのとき旬のテクノロジーを使って提供することで、今のITを体験してほしいのです」と教育とITインフラの関係性について語った。
それを支える仮想ストレージ基盤として利用してきたのが、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)の「VMware vSAN」である。vSANを用いれば、複数のストレージを仮想的な一つのストレージとして柔軟な利用が可能となる。成城大学では2014年からvSANを導入していたが、2019年に改めてvSANを用いた最新の仮想ストレージ基盤へとリプレースした。
刷新の理由として五十嵐氏は「ハードウェアの老朽化」を挙げた。以前のvSANは導入から数年が経過したこともあり、管理アプリケーションなどにレスポンス遅延が発生していた。さらに夜間のバッチ実行時にI/O処理が遅くなり、一晩で数十通のアラートが通知されるといった問題も起きていた。
「当時はvSANが発表されて間もなかったこともあり、手探りで模索しながら構築したので、これ以上のパフォーマンスが期待できない面もありました」(五十嵐氏)
そのうえで仮想ストレージ基盤として再びvSANを採用した理由について、五十嵐氏は「SDSの高い自由度」を挙げた。4年前の導入時のvSANはバージョンが5.5だったが、2019年には6.7までバージョンアップし、安定性や運用性も向上していった。その利点を感じてきた五十嵐氏は、「ソフトウェアで機能を上げられるというSDSの自由度の高さを享受してこそ、vSANを利用する意味があると考えています。現在安定しているからといって、アップデートをせずに現状のまま使い続けるのは意味がありません」と持論を口にする。
SDSの利点を引き出すためのポイントとして五十嵐氏が挙げたことは、ハードウェアを自分たちで選んで組むという「ハードウェアの手組み」だ。vSANは、Ready Nodeとして推奨されたハードウェアを使えば、確実に、かつ短期間で導入できる。しかし使いたい機能の種類、拡張性を考慮すると、ReadyNode機器だけでは構成できないケースもある。実際、五十嵐氏が考えていたことを実現するにはReady Node機器では足りなかった。
その解決に大いに寄与したのがSIパートナーであるトゥモロー・ネットだった。vSANの豊富な実績とノウハウを持つトゥモロー・ネットは、他ベンダーでは構成が難しかった要件をSupermicroサーバで提案。五十嵐氏と協力し、話し合いを重ねながら新しいvSAN導入に向けた検証活動を行った。
「ハードウェアの選択には非常に悩んでいましたが、Ready Nodeに希望する仕様のものがないとき、トゥモロー・ネットは『それなら、コンパチブルがあります』と互換性のあるハードウェアを持ってきてくれました。検証中に、ハードウェアにバグが見つかった場合も、すぐにその情報を届けてくれました。それらの支援のおかげで、本番環境を構築する前に、必要なファームウェアのアップデートを済ませることができました」
(五十嵐氏)
新しいvSANのシステムは順調に稼働し、学内のIT利用を支えている。しかし、大切なのはこれからだと五十嵐氏は見ている。現システムでは10GBASE-Tのネットワークを使用しているが、利用が増えればさらに帯域の広い25GBASEへグレードアップする必要性も生じるだろう。ネットワークの性能が上がれば、それを生かすためにCPUのグレードアップも必要になるかもしれない。
「システムを運用していると次の課題が見えてきます。それを改善していけばどんどんパフォーマンスが上がっていきます。それに柔軟に対応できることがvSANの良いところです。これからのIT活用の変化にvSANを対応させていくためにも、トゥモロー・ネットを頼りにしています」と五十嵐氏はvSANへの期待と今後の発展への抱負を口にした。
成城大学
1950年創立の人文社会系の総合大学。文部次官や東北・京都帝国大学総長などを歴任した澤柳政太郎の手により1617年に創立された私立の小学校に端を発する。「学校は真理行われ道徳が通りまた美的の所でありたい」という澤柳氏の理念を受け継ぎ、「グローバル社会を生き抜く『独立独行』の人を育成する」をビジョンに掲げ、自分の信じる道を、自分で開いて往く社会人を世に送り出している。
所在地:157-8511 東京都世田谷区成城6-1-20
創立:1950年4月1日
事業内容:教育・研究
URL https://www.seijo.ac.jp/