InfiniBand(インフィニバンド)とは?Ethernet(イーサネット)との違いも解説【トゥモロー・ネット テックブログ】

InfiniBand(インフィニバンド ,以下InfiniBand)とは、最小限の時間で大量のデータ転送を可能とする技術です。RDMA(Remote Direct Memory Access)通信などの技術により、大規模なシステムへの導入実績も多くあります。
本記事では、InfiniBandの概要を解説します。Ethernet(イーサネット、以下Ethernet )との違いやEthernetに移行しつつある理由についても触れるのでご参考ください。
目次
InfiniBand(インフィニバンド)とは?
InfiniBandとは高速データ転送技術の一種で、もともとはPCIやEthernetなど標準的なバス構成を置き換えることを目的として開発された歴史があります。
現在は、スーパーコンピューターなど、一瞬で大量の計算処理およびデータ送信に広く用いられており、並列処理の多いAI基盤に最適とされています。
InfiniBandの機能としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- RDMA(Remote Direct Memory Access)
- Fat Tree Non-Blocking
- SHIELDおよびAdaptive Routing
- SHARP
RDMA
RDMA通信は、各サーバーのメモリ間をダイレクトに接続する技術で、高性能なデータ転送や低レイテンシーを実現します。データをコピーすることなく情報のやり取りができるため、通信効率の向上とネットワークパフォーマンスを改善します。
Fat Tree Non-Blocking
Fat Tree Non-Blockingは、データセンターにおけるネットワークトポロジーの一種で、特に大規模なデータセンターに導入されています。「Non-Blocking」は全てのポートが同時に通信できる状態を表すので、ボトルネックや待ち時間のないスムーズなデータ送信が可能です。
SHIELD
SHIELDは、ネットワーク障害が起きている部分を自動で避けて通信する技術です。通信が集中することで輻輳が発生した場合、輻輳を回避しながらデータ送信を可能とする機能「Adaptive Routing」と組み合わせることで、万が一の遅延を防止します。
SHARP
SHARPは集合計算の一部をスイッチで実施する機能で、サーバー間における通信量を軽減します。高速かつ正確なデータ通信をするだけでなく、そもそも必要なデータ通信量を減らすことで有効活用でき、各ノードの計算負荷を下げます。
InfiniBandとEthernetの違い

ここでは、InfiniBandとEthernetの違いについて解説します。
帯域幅
Ethernetと比較し、InfiniBandは40Gから400Gの高速データ転送を誇るが、Ethernetは100Gに制限されているといった違いがあります。
また長い間、InfiniBandはEthernetよりも速いネットワークとして使用されていました。CPUの負荷を軽減するため、高性能コンピューティングにおけるサーバー間の相互接続にInfiniBandが利用されています。
第一世代の「SDR InfiniBand」は、10Gbpsのレートで動作するなど、CPUの負荷軽減やデータ伝送帯域幅の増加によってネットワーク利用率を上げるための工夫が凝らされています。
一方のEthernetは、端末機器の相互接続に向いているため、帯域幅に対する要求はそれほど高くありません。たとえば10Gを超えるような高速トラフィックでは、すべてのパケットをアンパックすると多量のリソースを消費することになってしまいます。
レイテンシー
Ethernetのネットワークレイテンシーでは、ストア・アンド・フォワードとMACテーブル・ルックアップ・アドレッシングが採用されています。IP、MPLS、QinQなど複数のサービスを考慮しなくてはならず、スイッチの処理フローも長くなりがちです。
一方のInfiniBandスイッチでは、非常にシンプルなレイヤ2処理を実現しており、転送遅延を100ns以下にまで大幅に短縮できます。Cut-Through技術も活用されているため、Ethernetスイッチに比べ大幅な高速化が実現します。
ネットワークの信頼性
InfiniBandでは、レイヤー1からレイヤー4まで独自のフォーマットが採用されています。そのため完全なネットワークプロトコルとして活用できる他、エンドツーエンドのフロー制御によってロスレス・ネットワークを実現できます。
Ethernetの場合、スケジューリング・ベースのフロー制御メカニズムがないため、パケット送信時に相手側が輻輳するかを保証できません。
ネットワークの急激なトラフィック増加を改善させるためには、一時的にメッセージを格納するためスイッチ内に数十MBのキャッシュ領域の確保が必要です。これがチップのリソースを独占してしまうため、同スペックのEthernet・スイッチのチップ面積は、InfiniBandに比べて大幅に大きくなってしまい消費電力やコストが大きくなります。
InfiniBand(インフィニバンド)がEthernetへ移行されつつある理由
InfiniBandは高速データ通信を支える技術ですが、近年はEthernetを選択する企業も増えてきています。
InfiniBandは、主にハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)で利用されてきた技術のため、Ethernetと比較して技術者や提供ベンダーが少ないことが理由にあります。
一方、EthernetはTCP/IPで動作するため、導入時のハードルが低いことから一般的に広く普及するようになりました。Ethernetの機器やケーブルは比較的安価に手に入るため中小企業等でも導入しやすいことや、性能とのバランスがよいことが評価されたことも影響しています。
さらに近年は、Ethernet技術の向上により通信品質が安定し、1GbE(ギガビット・Ethernet)から始まり、10GbE、100GbEなど、高速化も進みました。さまざまなネットワーク環境に適用できるEthernetを採用する企業も増えています。
まとめ
InfiniBandとは高性能コンピューターアーキテクチャに使用される高速ネットワーク技術で、サーバー、ストレージ、およびネットワーク機器間でデータを高速かつ効率的に転送を可能とする技術です。
低レイテンシー(遅延時間)と高いバンド幅(データ転送速度)の実現により、スーパーコンピューター等で使われることが多く、大容量のデータを高速に処理できるのが強みです。
近年はコストパフォーマンスの良さや性能改善により、Ethernetを選択する企業も増加しつつあります。
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この記事を書いた人

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