NVIDIA L4とは?前世代やCPUと比較したその性能を徹底解説【トゥモロー・ネット テックブログ】


NVIDIA L4は、NVIDIA社から2023年4月に販売されたGPUモデルです。従来のCPUベースソリューションと比較して性能が向上しており、グラフィックス、シミュレーション、データサイエンス、データ分析など、様々な活用シーンが考えられます。
本記事では、NVIDIA L4の概要について解説します。前世代モデルやCPUと比較したときの性能差や詳細なスペックについても解説するので、参考にしてください。
目次
NVIDIA L4とは
NVIDIA L4とは、グラフィックス処理ユニット(GPU)です。ほぼ全てのワークロードに対応するユニバーサルGPUとしてリリースされています。
AI、ビデオ、グラフィックス、ビジュアル コンピューティング、仮想化向けのエネルギー効率性の高いGPUとして注目されています。
データセンターからクラウドまで、ありとあらゆるサーバーに対応できるとして導入する企業が増えています。
NVIDIA L4の優位性
NVIDIA L4が、従来のCPUベースソリューションと比べて優れている点として、下記が挙げられます。
- 120倍高いAIビデオ性能を提供
- 最大99%のエネルギー効率向上に成功
- 最大2.5倍ジェネレーティブAIの実現
- 50%のメモリ容量増加
- 1024 × 768の画像生成が可能
- 4倍のリアルタイムレンダリング性能を実現
- 3倍以上のレイトレーシング性能を実現
従来型に比べAIビデオ性能だけでなく、リアルタイムレンダリング性能・レイトレーシング性能などのスペックが圧倒しています。
その上、ビッグデータ分析などの膨大なデータ処理を必要とするシーンの他、FPSゲームなど映画のようなグラフィックスが求められるシーンでも使いやすく、活用の幅が広がっています。
スペックの向上だけでなく、エネルギー効率が向上している点にも注目です。2メガワットのデータセンターにおいて、CPUからNVIDIA L4に切り替えた場合、一般家庭2,000軒分のエネルギーを削減できることになります。カーボンオフセットニーズが高まっている昨今でも使いやすく、かつ電気代の節約など経費削減にも貢献するため、多くのメリットが得られます。
NVIDIA L4の性能について
ここでは、NVIDIA L4の性能についてより詳しく解説します。それぞれの性能がどのようなシーンで役立つのか知り、従来モデルとの比較もしていきます。
AI ビデオ性能が最大120倍向上

NVIDIA L4はCPUベースのソリューションと比較して、AIビデオ性能が最大120倍にまで向上しています。数百万人を超える同時接続があるような、大規模なオンライン配信イベント等でも画像の乱れを防ぎ、シーンの移り変わりや多拠点ライブにも活用が最適です。
その他、拡張現実・仮想現実の世界を構築する際にも、リアルな映像をスピーディーに表示でき、没入感の高い体験を提供できるようになりました。
高画質なビデオストリーミングや自然なリップシンク、リアルタイムでの背景合成は見る人の満足感を高め、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上にも貢献します。
さらに工夫すれば、リアルタイムによるパーソナライズされた映像を提供したり、スマートスペースソリューションを実装したりすることも可能です。その上、高度な計算処理能力とビデオ性能を組み合わせれば、活用法も無限に広がります。
ジェネレーティブAI性能が最大2.5倍向上

画像やテキストをAIが生成する「ジェネレーティブAI」の性能は、CPUベースのソリューションと比較して最大2.5倍に向上しています。複数のキーワードを含むテキスト生成やシーン・モデルに合わせたグラフィックス加工など幅広く利用できるので、計算負荷の高い用途でも安心です。
GAN(Generative Adversarial Networks)などのモデルと組み合わせれば本物の写真・動画に近いものを生成できる他、実在の人物に声を似せて音声生成するなどの使い方もできます。また、文脈に合わせて会話するAIチャットボットなども開発でき、接客等のシーンで活用可能です。
その上、うまく活用すれば既存の業務を効率化したり、イノベーションを創出したりすることもできます。メモリ容量も50%増加しているので、従来のGPUでは不可能であった最大1024×768の画像生成も叶います。
グラフィックス性能

NVIDIA L4は第3世代のRTコアとAIを搭載した「 NVIDIA Deep Learning Super Sampling 3 (DLSS 3) 」により、クラウド ゲーミング、AI ベースのアバター、仮想ワークステーション向けに性能を向上させています。
具体的には、リアルタイムレンダリング性能が4倍以上に、レイトレーシング性能については3倍以上を実現しています。
リアルタイムレンダリングとは、リアルタイムで画像・動画を生成する能力です。処理中に稼働できるため、ほぼ即時に結果を得られ、処理時間を短縮できます。
レイトレーシングも画像生成技術の一種であり、レイ(光線)を自動計算しながらリアルな影・形を表現できるのが強みです。キャラクターの動きに合わせて太陽の光を反映した影を投影したり、光が当たったときのリアルなテクスチャを表現したりできます。
いずれも仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などのシーンで活用されている他、ゲーム・映像制作などの現場でも使われています。CPUでは不可能な、没入感のあるシーンを作りたいときにこそNVIDIA L4が最適です。
スペック表
NVIDIA L4のスペックについて以下に表でまとめました。
製品名 | NVIDIA L4 |
GPUアーキテクチャ | NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ |
GPUメモリ | 24GB GDDR6、ECC対応 |
FP32 | 30.3 teraFLOPs |
TF32 Tensor コア | 120 teraFLOPS |
FP16 Tensor コア | 242 teraFLOPS |
BFLOAT16 Tensor コア | 242 teraFLOPS |
FP8 Tensor コア | 485 teraFLOPs |
INT8 Tensor コア | 485 TOPs* |
GPU メモリ帯域幅 | 300GB/s |
最大熱設計電力 (TDP) | 72W |
フォーム ファクター | 1- スロット ロープロファイル、 PCIe |
インターコネクト | PCIe Gen4 x16 64GB/s |
サーバー オプション | 1-8 基の GPUが搭載できるパートナーおよび NVIDIA-Certified Systems 対応システム |
ボード長 | 168.54mm |
必要動作環境 | NVIDIA認定システムのみを動作サポートしています。詳しくはNVIDIA認定システムカタログをご参照のこと。 |
まとめ
NVIDIA L4は高性能な計算処理能力を搭載したGPUであり、従来のCPUベースソリューションと比較して圧倒的なスペックが向上されているとわかります。スピーディーな演算、リアルで没入感の高いグラフィックス制作、目的に合った画像・動画の生成に便利なツール選定の際は、NVIDIA L4を検討してください。
トゥモロー・ネットでご支援できること
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