投稿日 : 2025.03.11

銀行、金融機関がNumecent を採用する理由【トゥモロー・ネット テックブログ】

金融業界は他の業種より早くからアプリケーション管理のモダナイゼーションを模索

エンジニアがアプリケーション仮想化に初めて触れるのは、金融業界の環境でというケースは多くあります。例えば標準的なユーザーには書き込み権限がないインストールディレクトリに、実行時にファイルを書き込む必要があるアプリケーションがあるというケースです。実際には制限されたディレクトリにファイルやレジストリを書き込む必要はありませんが、書き込み/変更権限でファイルやディレクトリを開くようにプログラムされたアプリケーションが多くありました。同じシステム上で動作する新しいバージョンと互換性のない特定のランタイムバージョンを必要とするアプリケーションも多くありました。そのため、金融機関での仮想化はアプリケーション管理のモダナイゼーション(最新化)に最適でした。

コンテナ化によって、アプリケーションは独自の分離された専用の仮想ファイルシステムで実行できるようになり、ローカルシステム上の標準的なユーザーに対して過剰な権限の開放が必要なくなりました。仮想アプリケーションは分離されているため、互いに競合したり、マシンのローカルにインストールされているアプリケーションと競合したりすることはありません。これにより、ネイティブインストーラーでは動作しない場合でも、同じマシン上で同じアプリケーションの複数のバージョンを並べてサポートすることが可能になりました。

残念ながら、エンタープライズ向けのアプリケーションは依然として様々な課題を抱えており、サイバーセキュリティの動向により、企業はこれまで以上に頻繁にアプリケーションのアップデートを適用しなければならないため、問題はさらに深刻化しています。そのため、従来の仮想化ソリューションの価値提案に基づいて、さらなる利点を提供しながら、組織がアプリケーションの導入と配信を自動化し、サイバーギャングの一歩先をいくのに十分なシンプルさと拡張性を備えたソリューションが必要とされているのです。

世界最大の銀行や金融機関がNumecentを信頼する理由

最高のアプリケーション適合率

Numecent の Cloudpaging テクノロジーは、従来のアプリケーション仮想化ソリューションで必要とされていたすべての機能をさらに改善したソリューションです。動的なアプリケーション配信を実現し、インストールに関連する再起動をなくし、アプリケーションを分離して実行することができます。従来のアプリケーション仮想化ソリューションでは不可能だった課題を可能としています。

ドライバー、COM+コンポーネント、サービス、低レベルのシステム・コンポーネントなどを含むアプリケーションは、従来の仮想化ソリューションでは提供できませんでしたが、 Cloudpaging では提供が可能です。事実上、どのようなWindows アプリケーションでも、私たちのアプリケーション・コンテナ・フォーマットにパッケージ化することができ、いかなるWindows デスクトップにも配信することができます。

App-V の終焉に対する真に長期的な解決策

マイクロソフトのApp-V に依存していた金融機関にとって、Numecentのテクノロジーは App-V のサポート終了に対応するための将来を見据えた複数の選択肢(英語版)を提供します。クラウドベースのコンテナ管理プラットフォームである Cloudpager は、既存の App-V パッケージをサポートし、App-V のサポート期間(2026 年 4 月頃)を超えて稼働するよう自動的に最適化します。これにより、既存のパッケージの寿命を延ばすと同時に、その過程で最新のコンテナ・オーケストレーション機能を即座に得ることができます。

自動最適化はCloudpager の全顧客が利用可能ですが、多くの顧客は新しいソリューションを導入する際に、アプリケーション仮想化に対して全く新しいアプローチを取る場合が多いです。App-V でパッケージ化できるアプリケーションはすべて Cloudpaging で仮想化できます。もちろん、アプリケーションの再パッケージ化を待つのではなく、Cloudpagerの優れた点は、再パッケージ化を行っている間も、既存のApp-Vパッケージを最適化またはネイティブ形式で継続的に展開できることです。これにより、ソリューション間の移行中に最新のアプリケーションコンテナ管理機能を即座に利用することができます。

アプリケーションライフサイクル管理の合理化と自動化

Cloudpaging コンテナは、最新の物理および仮想Windows デスクトップ環境で再利用することができます。他のアプリケーション仮想化ツールはパッケージ化されたシステム上でしか動作しない場合もありますが、Cloudpaging コンテナはどのWindows OS 上へもシームレスに移行できます。

これにより、すべてのWindows デスクトップに対して単一のパッケージ形式での利用を確立できます。金融機関がクラウドテクノロジーの導入を進める中、Cloudpager は、アプリケーション全体を動的にプロビジョニング、管理するための単一の画面を提供します。 Numecentのアプリケーションコンテナとオーケストレーション・ソリューションを使用することで、Windows デスクトップ・アプリケーションを管理するための DevOps ワークフローと機能を即座に確立できます。また、Numecentの非対話型アプリケーション・パッケージャーとCloudpager API を使用することで、アプリケーションのパッケージングから展開、更新まで、アプリケーションライフサイクルを完全に自動化することが可能です。

アプリケーションとアップデートの動的なプロビジョニング

Cloudpager は自動化されたアプリケーション更新管理を全く新しいレベルに引き上げます。アプリケーションは、セキュリティグループに割り当てられたアプリケーションの論理グループであるWorkpodsで管理できます。

例えば、ブローカー用 Workpod、住宅ローン用 Workpod、人事用 Workpod があるとします。それぞれのWorkpod には、それぞれのペルソナに適したアプリケーションが含まれています。必要に応じて、いずれか(またはすべて)のWorkpod に更新されたアプリケーションを、以前のリビジョンに迅速にロールバックすることができます。これにより、アプリケーションのアップデートを動的に配信することが可能になり、必要に応じてリスクを低減することができます。

従来の MSI や EXE の展開をロールバックする必要がある場合、アンインストールしてから以前のバージョンのアプリケーションをインストールする必要があります。その場合でも、多くのベンダーが MSI テーブルを正しく使用していないため、 動作は保証されません。つまり、従来のパッケージは、このプロセスが混乱を招き、時間を浪費させる可能性があります。

デスクトップ IT セキュリティの強化

多くの金融機関の顧客がデバイスのリフレッシュを行う中で、ハイブリッドドメイン結合アプローチやゼロトラストアプローチを確立する機会として、デバイスとオペレーティングシステムの最新化に注目しています。これには、専用環境やマルチセッション環境での Azure Virtual Desktop の採用拡大も含まれ、アプリケーションを安全なコンテナ環境でオペレーティングシステムから抽象化し、オペレーティングシステムとの統合や分離をきめ細かく制御し、アプリケーションの依存関係を定義できるようにする必要があります(たとえば、個々のアプリケーションで特定のバージョンの Java を準備するなど)。

大規模な開発者コミュニティを持つ組織では、必要なリソースをタイムリーに得られないという問題があります。そのため、柔軟な展開オプションを提供する Cloudpager は、自動展開アプリケーション(Workpods 経由)とセルフサービスのアプリケーションアクセス(Storefronts 経由)の組み合わせを確立するのに最適なのです。開発者がセルフサービス方式でソフトウェアツールにアクセスできるオプションにより、必要な特定のバージョンを選択することができ、IT担当者による手作業での導入を回避することができます。

最終的に、これらの柔軟な展開オプションにより、管理者は変更が必要になった場合に、どのアプリケーション・バージョンやアップデートを利用できるかをコントロールできるようになります。アプリケーションコンテナによって企業のデスクトップIT セキュリティがどのように強化されるかについては、以前のブログ(英語版)をご覧ください。

デスクトップイメージのサイズと管理負荷を軽減

ある大手金融サービス会社の顧客との会話の中で、IT 担当者は、Cloudpaging を自社の環境に組み込んだ動機は、マスターイメージへの依存度を下げるためであり、「毎月のWindows Updateで直接更新されるギャラリーイメージを使用することを目指す」こと、そして Cloudpaging を活用してユーザーごとにアプリケーションを動的に準備することであると述べています。アプリケーションをユーザー単位で仮想化することで、デスクトップイメージ以外のエンドユーザーやグループにもアプリケーションを動的に準備することができます。

これにより、企業は単一のマスターイメージを実現できるだけでなく、マスターイメージの軽量化も実現できます。

非永続型エンタープライズ マルチセッション デスクトップ環境の標準化

Microsoft 独自のコスト計算ツールによると、Windows 10/11 Enterprise マルチセッションを標準化することで、仮想デスクトップの実行コストを 6 倍以上削減できると言われています。多くのエンタープライズ金融機関にとって、非持続型 VDI はコスト削減を最大化する鍵です。しかし、ほとんどのアプリケーション仮想化ソリューションでは、共有マシンや非永続型マシンでのアプリケーションの競合を緩和することができません。

Cloudpaging のきめ細かな統合と分離機能は、データ漏洩のリスクを軽減し、相反する依存関係を持つアプリケーションを調和して実行することを可能にします。

アプリケーション資産全体の可視性の向上

ユーザー資産のレポーティングと管理の重要性は、過小評価することはできません。コストの観点からは、ソフトウェアライセンスコストを最適化し、ISV(Independent Software Vendor)の要件を遵守するために不可欠です。IT チームは、どのユーザーやマシンでどのソフトウェアが利用可能かを理解する必要があります。

銀行、金融機関がアプリケーションの配信にCloudpagingとCloudpagerを活用

アプリケーションコンテナは、金融環境にとっては画期的なものです。過去にエンタープライズ向けのアプリケーション管理で悩ませていた多くの問題に対処可能なだけではなく、従来のインストールを中断することなく、物理エンドポイントとセッションホストの両方に、必要に応じてアプリケーションを迅速かつ動的に配信することが可能です。さらに、アプリケーションを仮想化することで、金融機関の取引フロアのマシンなどの機密性の高い環境では大きな混乱を招く可能性のある、インストール関連の再起動も不要になります。

Windows インストーラーが 2000 年に利用可能になったのに、そのわずか数年後、 MSI パッケージがベンダーから提供される最も一般的なパッケージタイプになる前に、世界の大手銀行のいくつかがSoftgridのような製品を導入し始めました。Softricityにとって、世界の大手銀行に採用されたことは大きな意味がありました。大規模な金融機関は、その環境で使用するツールやソリューションを選択する際に大きなリスクを取りたがりません。これらの大手金融機関は、Softricityの製品が素晴らしく、多くの価値を提供していたため、ベンダーとしての規模を超えて認識していました。

それから 20 年が経ち、状況は一変しました。金融機関はアプリケーションの仮想化を積極的に取り入れましたが、他の様々な業界の企業は、成功率やアプリケーションの互換性が比較的低く、実装を成功させるには技術のスキルアップが必要なため、これらの製品は複雑すぎると感じていました。Microsoftは 2005 年に Softricity を買収し、この製品はさらに開発され、Microsoftのデスクトップ最適化パックに組み込まれ、App-Vとしてブランド名が変更されましたが、残念ながら 2026 年 4 月にサポート終了が予定されています。

金融業界は、IT チームが効率的に業務を遂行し、最も厳しいビジネス要件や規制要件に従った業務を低リスクで遂行するために必要な制御を確保することを求めています。

Numecentの製品では、物理的および仮想的なWindows デスクトップ環境全体にわたってアプリケーションの移植性を確保しながら、一貫してシームレスな体験を提供するために、希望するすべてのアプリケーションをコンテナ化して提供しています。

アプリケーションコンテナ化を実際に体験

Cloudpagingに興味がわきましたか?アプリケーションをコンテナ化することで、Windows アプリケーション管理を簡素化するいくつかのデモをご覧いただくことが可能です。

製品についてより詳しく知りたい方は、下記より是非お問合せください。
https://www.tomorrow-net.co.jp/contact/

本ブログは下記の英語ブログの抄訳です
https://www.numecent.com/2024/08/06/why-banking-and-finance-customers-love-numecent/

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この記事の筆者

株式会社トゥモロー・ネット

クラウドソリューション本部

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